3.「離れるなよ?」 ―エド×ロイ・ロイ×エド―
オレ達は即座に建物の影へと身を隠す。
何発かの銃声が後を追って聞こえた。
先程した破裂音は銃声。光って見えたものは銃口。
中尉が壁にぴったりと張り付きながら、拳銃で応戦している。
が、どうやら相手まで随分と距離があるらしい。
中尉がちらりとあんたに目配せをした。
あんたはそれに頷くと、オレ達を振り向いて、低い声で言った。
「離れるなよ?」
その言葉にオレは強く唇を噛み、両の手を握り締めた。
オレは――
久しぶりにイーストシティに訪れたオレとアルは大通りから少し離れた小さな通りを歩いていた。
何度も訪れたこの街については結構詳しくなっていた。
旅であった事やこれからの行き先について、そんな話をアルと交わしていた時だった。
「兄さん…」
「ん?何だよ?」
不意にアルが足を止める。遠くへと視線を向けながら、オレを呼んできた。
何かあるのかとアルの向いている方へと同じく視線を向けるが、これと言ったものは見えない。
普通に歩く人々と立ち並ぶ店が視界に映る。
「何が……あっ。」
何があるんだ、と聞こうとしたが途中で目に入ったそれによって、驚きの声に変わってしまう。
まず見えたのは青い服を着た女性。そして、その隣に同じ青い服の上から黒いコートを身に纏った男性。
青い服…それは軍服だ。
「大佐…」
宿をとってから訪ねようと思っていた人物が居たのだ。
「お仕事かな…?」
アルがオレの方を振り返り、首を傾げて言った。
オレは二人の姿からアルへと視線を移し、頷くと、
「そうかもな。中尉も一緒だし…ちょっと話し聞きに行ってみるか?」
偶然に見たその姿にどうしても今、話をしたい衝動に駆られた。
今、あの人の声が聴きたい。
「でも、仕事中なら邪魔になるんじゃ…」
「大丈夫だって…二人だけってことは大したことじゃないんだろ。」
言うや否やオレは足を踏み出す。
「まったくもう…」
そんな弟の呟きが聞こえ、続いてがしゃんがしゃんと独特の足音が後を追ってきた。
「大佐ー!」
オレは大きな声で呼び、右手を上げて振って見せる。
すると二人の人物がこちらを振り向いた。
「やあ、鋼の。」
相手も軽く右手をあげて、笑いながら声を掛けてくれた。
「ひさし――」
挨拶をしようとした声は何かの破裂音に遮られた。
慌ててそちらに目をやると、何かがきらりと光った気がした。
それらがなんであるかは直感でわかった。
オレ達は即座に建物の影へと身を隠す。
何発かの銃声が後を追って聞こえた。
先程した破裂音は銃声。光って見えたものは銃口。
中尉が壁にぴったりと張り付きながら、拳銃で応戦している。
が、どうやら相手まで随分と距離があるらしい。
中尉がちらりとあんたに目配せをした。
あんたはそれに頷くと、オレ達を振り向いて、低い声で言った。
「離れるなよ?」
その言葉にオレは強く唇を噛み、両の手を握り締めた。
オレはあんたに守られてろって言うのか。
反論しようとして口を開くが、何かを言う前にあんたは中尉へ向き直り、指示を出していた。
己の未熟さを感じさせられる一瞬。
あんたにとってオレは守らなければいけない子供なんだな。
うー…これは徹底的に書きたかったですね。
アルの位置が微妙になってしまいました。
ロイの守ろうとしているのはエドとアルなんですが、エドは「オレはあんたに守られて〜」等と単数形で言っています。
これは決して自分にだけ言われていると勘違いしているからではないんです。
アルは守られて当然、守って当然の存在なんです、エドにとって…
でも、自分は強くなくてはならないから守らなくたっていいのにと…
更に、ロイに守られていることに対する想いです。
守られたいんではなく、守りたいんです。
解説が長いですね…
このカップリングは思い入れが強いらしいです。