2.「あなたには本当に困っているんです」
 ―ホークアイ+ロイ―

ホークアイ中尉は深い溜め息を零した。
ゆっくりと息を吸い込み、気持ちを切り替える。
そして足音を立てることなく、歩みを進めデスクを回り、椅子の横で足を止める。
背後の暖かな陽気に誘われてデスクに伏せて眠る上司の肩に手を置き、軽く揺する。
「大佐、起きてください…」
凛とした静かな声が部屋に染み入る。
「ん……」
僅かに呻き声が漏れ、ゆっくりと瞼があげられていく。
隠されていた漆黒の宝石が姿を現した。
彼は何度か瞬きをし、身体を起こす。
ホークアイは一歩後ろに下がり、その様子を見つめる。
「ああ…中尉か…」
のんびりとした調子の声と動作に軽く溜め息をつく。
「大佐、書類の処理はお済になったんですか?」
口元に手を添え小さく欠伸をし、
「あ…まだだ…」
相手は悪戯が見つかってしまった子供のように、気まずそうに視線を逸らした。
「大佐、あれほどサボらないで下さいと…」
「わかっている…」
続けようとした言葉は上官によって制される。
しかし、その表情は苦りきった、叱られる子供そのもので……
情けなさの滲み出ている上官に何度目かの溜め息が零れ落ちる。
しっかりとした瞳で上官を射抜く。
それに軽く肩を竦めて見せるこの上官はいつもサボったりしているものの、書類の期限を破ったことはなかった。
そういうところは流石と言えるのだが、期限ぎりぎりまで溜め込むという癖は困りものである。
「あなたには本当に困っているんです。」
サボらないで下さい、という意味を込めて真っ直ぐに見据えて言葉を放つ。
それに上官が僅かに口元を緩めて微笑む。
「ああ…君にはいつも助けられている。」
ありがとう、と優しい声音で続けられれば、言うべき言葉を失ってしまう。
先程の子供っぽさはなりを潜めていた。
今目の前に居るのはまさしく上官の顔をした彼だ。
こうして不意に見せられる余裕のようなものが彼のその器を映している様に思える。
「いえ、当然の事をしているまでです。」
上官の柔らかな雰囲気に飲み込まれてしまいそうになった。
ホークアイは常の声音を保ちそう答えることで、自身の気持ちをしっかりと持つ。
「そうか…それが私には必要だからね。感謝しているよ。」
ホークアイはそれ以上言葉を紡ぐ事はせず、敬礼のみを送る。
そして、上官の傍を離れていき、扉の前まで行くとぴたりと足を止め振り返る。
「もう一時間しましたら、書類を取りに参りますので。」
「わかったよ。」
「では、失礼します。」
敬礼をもう一度送り、部屋を後にする。
心の奥で彼への忠誠心を改めて確認しながら……

 


またもや勢いで書いてしまいました。
ゆっくりゆとり思って書けばいいものを急いで書き上げようとするから…
文章の拙さは個性という事で…(笑)
ホークアイ中尉は格好いい女性ですね。
それが書き表せていればいいんですが…
ただ今の時刻午前4時20分過ぎ…
思考回路が低下中。
いい加減寝ます。では…